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10月29日に行われた、ピアニスト杉浦奈々子さんによるリサイタル「知られざる山田耕筰のピアノ音楽」に合わせて、このプロジェクトの一つである山田耕筰の未完作品の補筆完成の楽譜が出版されました。

山田耕筰：ピアノ曲拾遺 第三集《未完成作品の補筆完成》

私は、4曲全ての補筆完成を行いました。

アンプロンプチュ / Impromptu

ソナタ・エクスタジエ / Sonata-extasier

セレナード / Serenade

わが神戸時代の思い出 / Erinnerungen an mine Kobe zeit

どの曲も2～3ページという小さい断片が残るのみですが、それを見ただけでも大規模な作品に仕上げようとした痕跡が残っています。

山田耕筰は日本人としては初の交響曲を書くなど、大作を数多く残っていますが、残念ながら大作と呼べるピアノ曲を完成させていません。そのような中、山田耕筰の断片から作品に仕上げていくというのは、責任重大な作業でした。

今回一つの成果として、4曲の補筆が完成し、このような形で楽譜に仕上がったことをとても幸せに感じています。

また、美しい表紙、演奏しやすい製本、洗練された譜面と、一つの芸術品としての価値もある楽譜に仕上げてくださったMuse Press様にも感謝します。